アプトいちしろキャンプ場

行った日
2016年7月
子どもが育ってくると、キャンプ場選びも変わってくる。つまりは小学生になると明確なアクティビティがないと退屈する。
ということで7月の3連休、《鉄キャンプ》をテーマに選んだのが「アプトいちしろキャンプ場」。大井川鐵道井川線の駅名にちなんだこのキャンプ場から、日本唯一のアプト式鉄道が急坂を上っていくのが見える。
またクルマで大井川沿いに20分ほど下れば本線の終点、千頭駅にたどり着き、時間さえあえばSLもリアルトーマスも見物できる。


キャンプ場は2013年にリニューアルされたとのこと、設備はいちいちきれいだ。特に奥さんのトイレの評価が高く、これまでの中でトップクラスとの感想。またシャワーはシャワールームと脱衣場がきっちり分かれている。キャンプ場にありがちな「床がべしゃべしゃで服がぬれないように気をつけながら着替える」などということがない。
サイトもきちんと整備されていてじめじめ感もない。あまりキャンプ慣れしていない人でも過ごしやすいかもしれない。そのくせどっぷり秘境で、非日常感は十分である。井川線のレールも風景の中に馴染んでおり、見ているだけで酒の肴になる。

ところで井川線というのは、すぐ近くに見える長島ダムの建設で水没する線路に変わって1990年に新線が敷かれた。で、その旧線は崖の下にあるこのキャンプ場の一部を走っていたらしい。キャンプ場の両端に上り方面、下り方面の2つのトンネルが残っており、どちらも歩いて通り抜けられる。そのうちの一つ、アプトいちしろ駅へ通じる《ミステリートンネル》は全長375m。

出口手前で左に曲がっているので光は入ってこず、本当に真っ暗である。本当の暗闇を知らない都会っ子たちは、僕の背中にしがみつきながら、ビビりながら歩いていた。途中にちょっとした仕掛けもあり、これだけで立派なアクティビティである。
で、井川線は実際に乗ってみると語ることがありすぎる。秘境を行く風景と鉄道自体の味あいは、鉄ちゃんじゃなくても十分楽しめる。ダム湖の周りに旧線のあとが見え隠れするのも、好きな人にはたまらない風景だと思う。

キャンプ場に戻ってからはまったりタイム。ビール飲んで昼寝して、でも暑さで目が覚めて涼を求めてトンネルへ。今度はもう一つの方に行ったが、こちらは短く、出口がすぐ見える。ここを抜けてもう少し歩くと長島ダムに出てくる。残念ながら飛沫橋でしぶきは浴びれなかったが、散策だけでも楽しめる。目の前はダム湖で、ここでゴムボートを浮かべたり釣りも出来る。とにかくアクティビティが多く少なくとも2泊3日で来たいキャンプ場だ。

アクティビティ:アプト式鉄道、トンネル探検、長島ダムへの散策など。車で出かけるのであれば釣り橋や千頭駅でのSL見学、接岨湖ではカヌーも出来る。
トイレ:階段ウォシュレット付きで清潔度◎。
水場:清潔度○。
ゴミ:捨てらない(灰のみ可)。
お風呂、シャワー:コインシャワーあり、きれいで脱衣場がべつになっていて使いやすい。
バンガロー:なし
グルキャン:制限はない。
東京からのアプローチ:新東名静岡スマートICから国道362号線で行くのが一番近いが、国道とは名ばかりで、途中からすごい山道になり、1~1.5車線のところも少なくない。今回は行かなかったが、島田金谷ICから大井川を遡上するほうがまだましとの噂がある。
買い物:千頭にも一応お店があるが、さほど大きくない(行かなかったので詳細は不明)。新東名のIC近辺で買っていくのが無難。静岡スマートICであればマム羽鳥店と、その先に24時間営業のマックスバリュがある。
良いところ:場内からアプト式鉄道が見えるところ。秘境感たっぷりな風景。それなのに整備されたきれいな場内。
おしいところ:サイトは決して広くない。普通サイズのテントとタープを張っていっぱいいっぱいか。また木陰がなくて、日差しが強いとつらい。

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